23日から渋谷のシネアミューズで公開された映画「ストロベリーショートケイクス」。
http://www.strawberryshortcakes.net/
ほんの1シーンだけだが撮影を手伝った。
主演の池脇千鶴が母の元を訪ね家庭菜園を手伝う場面。
池脇さんに耕運機の扱い方を指導しました…。
手伝ったから言うわけではありませんが、今年公開された映画の中では一番人間を描いていた。
「今」が映っていた。
4人の女性の生き様を描いているので公式HPも割と女性向け映画風に紹介しているけど、
この映画は男こそ観るべき。いかに今の男が女性ときちっと向き合っていないかがよく分かる。
残念ながら全国一斉ロードショーでない。
一斉公開できる配給網を持つ会社ではないので今後順次全国で公開される。
ここ数年ヒット映画といえばテレビ局とのタイアップものばかり。
内容、出来不出来に関わらずCMが大量オンエアされ、
自局の情報番組で製作発表段階から絶えず情報が流される。
それだけ宣伝されたら観てなくても観たような感覚になる。
「踊る大走査線」「セカチュー」で東宝が完成させたテレビ主導型映画。
おかげで確かに斜陽といわれ続けた邦画は復活した。
でも反対に地味だけど質が高いと言われるような映画は地方の映画館ではまったくかからない。
都会でもそういう傾向かもしれない。
今週の「AERA」に、成功している東宝の映画戦略についてのリポートが載っていた。
松竹・東映を大きく引き離して一人勝ちが続く東宝。なぜ東宝ばかりが儲かるのか。
それは映画を作らないで大きくなった東宝の戦略勝ち…というような内容。
「ゴールデンタイムのテレビドラマのような分かりやすい感動を基準」(東宝のお偉いさんの言葉)に企画を選び、
フジ(東宝が大株主)などテレビ局が作って大量に宣伝する。
そりゃヒットするでしょ。
そんな特集が載っていた号の「AERA」の映画紹介は「ストロベリーショートケイクス」だった。
偶然だろうけど。
なんか東宝に文句ばかり言っているみたいになってしまったけど。
うらやましいんですよたぶん。
映画界というか映像の世界で働きたくて今から12年ほど前、
東宝から内定もらったんだけど行かなかった自分。
あの頃って東宝といえばゴジラとドラえもん。
ほんと映画作っていなかったもんな~。
でも未練があってどうしようか悩んでいるときに絶対行くべきでないって反対したのが
「ストロベリーショートケイクス」の矢崎仁司監督だったわけで。
おかげで田中泯さんを撮れたり、好きなもの撮らせてもらっているし、ま、いいか。
うらやましいけど後悔はない。
っつーか「ストロベリーショートケイクス」観てください。 損はしません。
関係ないけど主演の池脇さんは来年の大河ドラマ「風林火山」の武田信玄の正室・三条夫人役に決まったそうで
なんか縁を感じる…。