富士山をユネスコの世界遺産にすることは当然のことだという考え方というか風潮がどうもしっくり来ない。すでに十分すぎるほどお客さんは来ているし、ユネスコの力を借りなくても保全計画くらい作れるだろうと思うけど、そもそも世界遺産って何だ?というところから地元はあんまりよく分かっていない。だから「世界遺産になったら規制がかかって商売できなくなるから反対」みたいな意見も出てくるし、その辺りの商売っ気ある話しか話題に上らない。だいたい日本のシンボルともあろう山が世界自然遺産のときには国内候補にすらならなかった。自然じゃダメだったけど今度は文化遺産ならなれるでしょみたいな気配もなんとなくする。静岡・山梨県庁には世界遺産推進課というセクションがあるくらいだし世界遺産になるためにはそれなりのカネもかかるんだろう。すそ野にデカい軍事演習場があっても文化遺産になれるの?とか、分からんことが多すぎる。

『俗界富士』を撮った藤原新也さんに会った。

太陽を跳ね返すような真っ赤なコーラの自動販売機の向こうに富士山が見える。この姿こそ日本だと。

俗世間も富士山も同じように神々しいよねって。

世界遺産になってほしいと思った。


富士山コーラ